赤字は教員のコメントです。
きむしゅう(埼玉県入間市)kml![]() |
このハザードマップは、埼玉県入間市の豊岡?西武?東金子地区の土砂災害を対象としたものである。今回私が行ったのは、土砂災害警戒区域の中の、特別警戒区域の場所である。まず、その場所がどんな場所なのかというのを、地理院地図の「地形分類」の機能使って、調べてみる。地形分類によると、その場所は、「尾根や谷からなる土地や、比較的傾斜が急な土地。段丘崖の斜面や火山地を含む。」と記載されていた。この文章からも分かる通り、坂が形成されている上に、傾斜が急な場所があるということが分かる。この情報を事前情報として、頭に入れながら、実際にその場所に行ってみる。周辺には坂が多く、どの坂も傾斜が急(写真)であり、人によっては、息が切れるほどである。警戒区域周辺に到着すると、その場所は、住宅地が形成されており、集合住宅もあった(写真)。まず、驚いたのは、その場所に平然と住宅地や集合住宅が形成されていることだ。その場所は土砂災害区域ではなく、土砂災害特別区域だということである。土砂災害が起こる確率が高く、被害も大きく見込まれる。その箇所に住むということは、何かしらの対策をしなくては将来的には人的?家屋等の大きな被害で出ると予想できる。しかし、写真を見る通り、前面をコンクリートで覆っている状態で、さらに上の部分は、何も手を施していない状態ということが分かる(写真)。(高台の写真) また、この状況は、写真では分からないが、さらに奥にも続いており、地図からも分かる通り、すぐ横には鉄道が通っている。仏子駅から入間市駅に向かう列車に乗れば分かるが、入間市駅少し前のカーブのところは、すぐ隣が崖という感じになっている。この場所は、数年前の台風で崩れており、昨年の雪の時には、倒木も発生している。しかし、現時点でも、少し柵をつけたかなというぐらいでしか対策をしていない。この入間市周辺は、加治丘陵地に存在しており、7割山を占めている飯能市と隣接している。そのため、森林が多く自然豊かな場所である。それを残すということも重要であるが、どう残し、そして災害を防止?最小限にするかが今後も継続的に考えていく必要がある。 今回、ハザードマップを見て、危険な場所を実際に訪れたが、予想していた場所が、やはり危険だということが再認識できた。入間市駅直前のカーブの土砂災害の危険がある箇所など、鉄道を運行するにあたり予測できる箇所について調査し、鉄道の運行が災害によって妨げられることがないよう、考えていくべきである。自然も守りたいという気持ちは一緒だと思うからこそ、自然との共存を意識し、より良い対策も考えていきたい。 文章が冗長で同じ言い回しが何度かくり返されています。文章を推敲してみよう。土砂崩れを防ぐコンクリ構造物は「擁壁(ようへき)」といいます。崖の標高差はどのくらい?坂の傾きを求められないかな? 高台の写真ですが、地面に亀裂が入っていないですか?「入間ガス」のコーンが置かれていますが、崩落した場合に、ガスが漏れるのかな?私有地に立ち入ることはできませんが、公道からだけでもさまざまな情報が得られると思います。 |
ろみ~(東京都奥多摩町)
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これは東京都奥多摩町の奥多摩町土砂災害ハザードマップだ。今回は境の清泉 (写真)(東京の名湧水57選)付近を調査した。撮影地(写真)は土砂災害”警戒”区域に指定されており、周りは土砂災害”特別警戒”区域となっている(写真)。奥多摩町堺は砂岩頁岩層(地質図)に位置しており、地すべりをおこしやすいという地質的な特徴を持っている。実際に、撮影地から青梅街道に接続する道は地すべり地形に指定されており、地盤が安定していないことが分かる。また、この地域は谷地形をなしており、谷の斜面には住宅が密集して建てられていた(写真)。また、谷底には小川が流れている。この小川を使い近隣の住宅は地域特産のワサビの栽培を行っていた(写真)。しかし、撮影地点には土砂災害の危険性を知らせる看板が設置されていたことや、避難場所となっている堺集会所にも訪れてみたが、面している道路の幅は車一台ほどと狭く、崖沿いに位置していた。また避難所が土砂災害特別警戒地域に位置しているため、災害時には避難所でさえ倒壊する恐れが十分にある場所に位置している。今回訪れたエリアに有事の際安全な場所はないと感じた。そして実際に避難する必要性が出た場合。この地域の青梅街道では連続降雨量が140mmに達した場合には通行規制をかけられる場合があり、一部区間が通行禁止になる。実際過去には大雨のために撮影地点からみて青梅街道の青梅方面側の一部区間が通行禁止になったこともある。今回実際に行ってみたが、自然からの恩恵を強く受ける地域という印象だった、しかし自然からの恩恵にはリスクが含まれているということも考慮しなければならない。 参考:防災科研(30年震度6弱以上発生確率) 地理院地図(赤色立体図) 重ねるハザードマップ(土砂災害?洪水) 土砂災害の危険があるのと、小河内ダムが大雨時に放流した場合に河岸侵食も想定されるのですね。新道を通ったことは何回かありますが、古い地図をみると、集落の上部に森林鉄道があったようですが、トンネルや軌道跡が残っているのかな? |
ペンギン(千葉県船橋市)
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千葉県船橋市金杉と夏見台の境目で、県道288号線と船橋市立医療センターの中間の地域について調査した。この場所は台地の谷間の谷戸や谷津と呼ばれる地形になっている。また河川と言うには小さいが、用水路が流れている(写真1)。この付近は地形図上で?田?の記載がされているものの、現在一部が住宅地へと変化している。船橋市のハザードマップによると、東西に位置する斜面が両方とも土砂災害特別警戒区域に指定されている。さらに谷間の低地が内水氾濫による浸水想定区域に指定されている。この場所で大雨が降った際に起こりうる災害として土砂災害と長期間の浸水が考えられる。前者に関してはすでに述べたように、土砂災害特別警戒区域に指定されている。東側の道路沿いの斜面(写真2)はコンクリートで固められているため土砂崩れのリスクは低いものの、西側の斜面(写真3)は特に対策がされていないため土砂崩れのリスクが非常に高い。次に後者に関する点である。この箇所は旧版地形図にも?田?の表記があるため、古くから水田であった。さらに台地上から水が流入しそれが溜まりやすく水はけが悪い。このように災害のリスクを抱える場所だが宅地の造成が進められているため、対策が必要である。 病院の一部がイエローゾーンなのが気になります。また、消防署の浸水が想定されていることも気がかりです。老人福祉センターは大丈夫かな?船橋市って市役所も危ない場所にありますしね。公共施設を作る時に地形を考えているのかな? |
はや(東京都世田谷区) kml![]() |
地形と周辺の様子について 上野毛の稲荷坂は国分寺崖線上にあり、急な坂がみられる。(写真1、写真2)切通しで道を作ったため谷地形になっており、道の両側には集合住宅や自然公園がある。実際に上ってみると勾配がかなりあるので、上るのに一苦労した。坂を下ると崖線沿いを流れる丸子川に当たる。この川沿いに家が立ち並んでいる。 どのような災害が起きるか 大雨や地震が起きたときに、土砂災害が起こる可能性が高い。アスファルトで舗装された坂道やその周りの擁壁が崩れることが予想される。近年、都市の道路はほとんどアスファルトで舗装され、雨水などがしみこみにくくなっている。また、谷であることや段丘面であることから、しみこまなかった水がこの坂に集中しやすい。このようなことが原因で土砂災害が起こると考えられる。近年、都市型の土砂災害の発生リスクが高まっている。危険があるような地域に住まないことや、避難情報を逐一確認することが身を守るうえで大切だと感じた。(世田谷区ハザードマップ) 丸子川は自然河川ではなくて、江戸時代にハケ下に沿って作られた用水路ですね。台地と低地の高度差はどのくらい?道路の勾配は?多摩川の水害が心配される場合に、この坂を避難民がのぼってくると思われますが、大丈夫なのかな?地理院地図(色別標高図)。 |
ほたる(福岡県太宰府市) kml![]() |
福岡県太宰府市の土砂災害のハザードマップである。今回は湯の谷(石坂3丁目)を調査した(写真)(地理院地図色別標高)。この地域は高尾山の麓に位置し、ハザードマップによると、土砂災害特別警戒区域と警戒区域に指定され、大規模な急傾斜崩壊が予想されている。湯の谷地区は今昔マップで確認すると、1960年代以前は高尾山の一部であったが、1960年代後半に切り開かれて住宅地として造成された地域であることが分かった。そして、山を切り開いた際に住宅地と高尾山の境界に急な崖が形成された。現在、その崖は大雨や地震で地盤が緩くなった際に崖崩れが起こることが予測されている。現地へ調査に行くと、湯の谷の崖は急傾斜崩壊の発生を防ぐために、写真のように、コンクリートで頑丈に補強されていた。崖崩れは大雨や地震などの影響で突然発生するため、少しでも避難が遅れたら、手遅れになる場合が多い。そのため、大雨や地震などの注意報が発令された際には地域住民が協力して即時避難できるように、定期的に避難訓練を実施する必要があると考える。 住民にとってとてもわかりやすいハザードマップで、とてもよくできています。A4サイズ縦で印刷することを想定してつくられているようです。市役所防災課を表彰したい(笑)。湯の谷地区の谷底はかつては水田。高尾山北西麓は、高度経済成長期に宅地開発が進んだようです。梅雨の雨の多い地域なので土砂災害に注意したいエリアですね。また、空梅雨に備えたのでしょう、溜池も多いですね。使われくなった溜池のメンテナンスも重要です(観音寺地区など)。 |
Kon(千葉県柏市) kml![]() |
国土地理院の重ねるハザードマップを用いて、居住地周辺の土砂災害警戒区域について調べ、図にA?Bで示した場所を訪れて写真撮影を行った。対象としたのは下総台地と低地の境目、谷津の斜面である。(写真A)斜面下には複数の住居?建物が建つ。斜面には木が生えているが、崩壊対策が取られている様子はない。また、前日の降雨もあってか、警戒区域東側の舗装道路の脇から水が湧き出す様子がみられた。(写真B)台地上は住宅が建っている。写真正面の舗装された道はこの先で途切れ、急斜面を下る未舗装の私道につながっている。地理院地図で断面図をみると、台地上と低地の高低差は約14mで、傾斜は約17%となる。谷津地形が発達する東葛飾地域には他にも多くの土砂災害警戒区域が存在する。この地域の特徴として、大部分が宅地化されている点が挙げられるが、これは(新興)住宅地の街並みのなかにも危険が埋もれていることを示す。家選びの際は、周辺の地形をきちんと確認しておくことが必要である。 たしか、かたくりの群生地のとこだよね。明治初期の地図をみると(迅速測図)、現在の逆井駅がある台地上は松林でした。現在の逆井運動場がある大津川支流低地は水田でした。送り橋付近には水車があったようです。当時の逆井村の集落は、台地斜面下に帯状に連なっていたようです。それはどうしてか?おそらく湧水が豊富だったと思われます。 |
秋月(東京都調布市) kml![]() |
調布市北西部の深大寺付近を調査した(写真)。ここは、湧水が豊富な台地の縁にあたる場所である。調査を行った深大寺通りは台地の縁に沿って敷設されている。また、地理院地図をみると、単なる台地の縁ではなく谷状になっているほか、付近に深大寺湿地もあることから深大寺通り周辺は水はけの悪い土地となっている。地形分類図では切土地となっている。調布市防災マップによれば、調査を行った深大寺通り付近の斜面は、土砂災害警戒区域に加え土砂災害特別警戒区域にも指定されている。このことから、一度に多量の降雨があった場合雨がやんでも土壌には多くの水分が保持され、その許容量を超えると斜面崩壊が発生する可能性がある。一方、この斜面には土留め用の石垣や多数の樹木が植わっていることから斜面崩壊の発生を抑制させる機能がある。とはいえ地震によって石垣の崩壊や倒木が発生した場合にはそれらと一緒に土砂が流出することも考えられる。深大寺通りはバス路線になっているほか、三鷹通りと武蔵境通りのバイパス機能も有している為自動車の往来が多い。また、元旦や3月のだるま市といった催しが行われる際には多くの人々も往来する。このようなタイミングで地震等による斜面崩壊が発生した場合には多数の人的被害が予想される。単に湧水が豊富で蕎麦が美味い場所ではなく、湧水がある土地だからこその土地条件であることにも注意を向けたい。 深大寺湿地を流れる川(逆川)が武蔵野台地に小さな谷を作り、さらに多摩川が大きく台地全体を削って成立した地形のよう。明治初期の地図(迅速測図)をみると、台地上は畑、谷戸(谷津)は水田として利用され水車もあった(今もある?)。 |
あらこ(東京都調布市) kml![]() |
東京都調布市の武者小路実篤記念館?実篤公園周辺で調査を実施しました。この公園は、多摩川が武蔵野台地を削ったことで形成された国分寺崖線上にあり、敷地内で16mの高低差があります。ハザードマップによると、公園内も土砂災害警戒区域および特別警戒区域に指定されています。写真1は、警戒区域となっている公園東部です。一部に石積み擁壁が設置されていますが、ほとんど崖面むき出しの状態のため、地震や大雨の際に土砂崩れが発生するおそれがあります。写真2は、記念館のあるハケ下です。この地域は、地理院地図の地形分類図によると氾濫平野であることがわかります。なお、2005年には入間川(いりまがわ)氾濫で床上浸水が発生したため、0.5m-3.0m未満の浸水予想区域に指定されています(ハザードマップ凡例)。この氾濫を受け、2013年に入間川分?路が整備されたため、以前よりも洪水は起こりにくくなっていると考えられます。最寄りの広域避難場所として若葉小学校や第四中学校が指定されていますが、周囲が急傾斜地崩壞箇所や浸水予想区域などに指定されているため、避難場所が孤立してしまう危険性があります。 参考サイト:解説シート「もっと知りたい 武者小路実篤」 43. 実篤公園 武者小路実篤記念館 お知らせ(集中豪雨による休館から再開まで)2006年2月1日 (2025年5月12日閲覧, WayBack Machineを使用) 調布まっぷ 施設情報マップ (災害時避難場所のみを表示) 埼玉ではなくて東京にある入間川(いりまがわ)ですね。多摩川水系野川の支流です。水位は観測されているようで、ライブカメラも設置されています。大雨の時に見に行かなくても情報が確認できるようです。 |
T(東京都清瀬市) kml![]() |
東京都清瀬市の洪水ハザードマップを基に、野塩地域の空堀川沿いを調査?観察した。この地域は武蔵野台地の東端部に位置し、主に洪積台地で構成されており、河川沿いには緩やかな谷が形成されている。ハザードマップによれば、空堀川沿いでは2~3メートルの浸水が想定されており、市内でも特に浸水リスクが高い地域とされる。写真1では護岸の高さがさほどなく、越水の可能性が視認された。写真2では過去の増水時とみられる水位跡が確認され、スマートフォンの測量機能を用いて10メートル間隔で3地点を三角測量した結果、河床から水位跡までの平均は約1.9メートルであった。また、河床から護岸上端までの高さは平均約3.2メートルであった。さらに、地理院地図の「自分で作る色別標高図」を用いて主題図を作成し分析した結果、河床から周辺地形までの高低差が小さく、局地的豪雨の際には越水?浸水のリスクが極めて高いことが確認された。 スマホアプリで簡易測量ができるのですね。役に立ちそう。石田橋のところに水位計があるようですね。空堀川は河川敷の幅をしっかりあるので、遊水地を作るなりして、水害を軽減する対策ができそうです。 |
まめ(さいたま市桜区) kml![]() |
埼玉県さいたま市桜区の内水ハザードマップから、油面川周辺の浸水の危険性について調査した。油面川はさいたま市桜区を流れる準用河川で、一級河川鴨川の支流である。ハザードマップを見ると、下水道の排水能力を超える大雨によって内水氾濫が起きた場合に、油面川の流域のうち高速埼玉大宮線の西側の地域で1.0m~5.0mの浸水被害が想定されている。実際に2019年には台風19号の影響で、油面川から鴨川へ排水するためのポンプの制御ができず新開や桜田では道路の冠水や床上浸水が見られた(写真1?まめ母撮影)。今回は油面川周辺の中でも、桜田にある髙ん橋のあたりを調査した(写真2)。ハザードマップから、髙ん橋周辺では3.0m~5.0m浸水すると想定されている。これは建物の一階から二階に相当する。今昔マップから油面川は1965年ごろにできてそれ以前この周辺は水田であったことがわかり、もともと水はけが悪い地域であったと考えられる。現在油面川の周りには住宅地が広がっていて、それに加え水路の深さの上限と住宅が建ち並んでいる場所の高さが同じであることから、川の水が溢れた場合に住宅地の浸水被害が大きくなると考えられる。少しでも浸水被害を軽減するためか周辺の住宅は床が一段上がっているところが多いが、この辺り一帯はほかにも複数の川があることからも川が急激に増水した場合には早めの避難が重要である。 地理院地図(地形分類)をみると、遠い昔の荒川は、現在の荒川左岸低地を指扇付近から八潮付近に蛇行しながらながれていたようですね。ところで、水害が起こると孤立するような場所に区役所があって、防災上大丈夫なのかな? |
すがちゃん(千葉県柏市) kml ※柏市ハザードマップは閲覧のみなので地域別防災カルテを掲載しました。![]() |
リンク先の地図は柏市がweb上で公開しているハザードマップのうち、内水氾濫でどの程度の浸水高が想定されるか表したものである。柏市南部の増尾駅周辺は下総台地上にあり比較的標高が高いうえ、大きな河川から離れており河川の氾濫に起因する洪水の危険性は低いと考えられる。しかし、リンク先のハザードマップでは増尾駅周辺に最大3.0~5.0mの浸水想定区域が存在する。実は増尾駅周辺は下総台地と谷戸部が入り混じっており、この谷戸部は北側にある手賀沼付近の低地に向かって下がっているため北側のほうが低くなっている。また、地理院地図で地形分類をみると、橙色で示されている部分が台地、薄緑で示されている場所は氾濫平野を示している。上に示したハザードマップと比較すると、薄緑の部分が浸水想定区域と概ね重なっている。しかし、ハザードマップ上では東武野田線の南北で予想浸水高が異なっている。写真の撮影地点は、上図に〇で示した。横の築堤は東武野田線の線路で、奥が柏方面である。東武野田線は築堤で谷戸部を通過していることが分かる。つまり、集中豪雨が発生すると、東武野田線の築堤がダムの堤体のような働きをし、上流側の水を堰き止めてしまう恐れがあるのだ。祖母によると写真の右側にある家は2013年頃に床上浸水を経験しているという。浸水被害を最小限に抑えるためには東武野田線の下に排水路を整備することが望ましいが、現地を調べたところ排水講らしきものは確認できなかった。今回は内水氾濫を想定したハザードマップを取り上げたが、台地と谷戸部が入り組む増尾駅付近では土砂災害など他にも懸念すべき災害がある。私の自宅は浸水予想区域外にあるが油断せず、自宅近隣の地形を観察することやハザードマップを閲覧することを通して、どの地点が、どの類の災害に脆弱なのかを考え、防災に役立てていきたい。 地域別防災カルテ(上図?平成30年作成)では想定時間雨量79.5㎜、WEB版ハザードマップ(リンク先?令和6年作成)では、想定時間雨量153㎜となっているようで、後者の浸水深が深く計算されているようです。増尾駅前の道路が逆S字型になっているのは、谷戸地形に合わせて道路が作られたからなんですね。ちなみに私の同級生の家(加賀3丁目)は、新しい想定でも浸水しないようでした。 |
FM(千葉市中央区) kml ※千葉市ハザードマップは閲覧のみなので重ねるハザードマップを掲載しました。![]() |
千葉市中央区の洪水ハザードマップ(リンク先)を参照し、危険と判断した場所は中央区の富士見にある駅前地下道入口という交差点の付近である(写真)。この地点の特徴として地下道、アンダーパス、そして川が一か所に集中している上で、標高も周囲と比べて低い場所になっている。周囲と標高を比較すると、千葉駅の標高が10.8m、市民会館が5.5mに対して交差点は1.4mと一段以上も低いことが分かる。近くを流れる川は葭川といい、近年は氾濫の報告こそないが2023年の台風13号が接近した際には氾濫危険水位を超え、交差点に向かう栄町南通りに架かる新葭川橋の橋桁に迫るほどの水位にまで及んだこともある。(写真右側の木が並んでいる箇所が葭川、右奥に向かって上っている箇所が新葭川橋)ハザードマップの洪水予想は1m以上2m未満となっているが、川からの外水氾濫もさることながら内水氾濫もありゆる立地であることから、単純な洪水の予想だけで被害を考えることは難しく、予想以上の浸水となる可能性も否定できないと考える。参考:地理院地図(色別標高図) アンダーパスでなくても、千葉駅前はよく冠水していると思いますが、ハザードマップには反映されていないのですね。巨大な地下遊水地や地下排水路をつくらないと改善しないのかも。工事費用がかかりますが... |
チヨウ(東京都目黒区) kml![]() |
目黒区の水害ハザードマップは、想定最大規模の降雨(総雨量690mm、時間最大雨量153mm)に基づき、浸水の危険性が高い区域を示している。特に目黒川、呑川、立会川、九品仏川などの河川沿いは、浸水深が1?3m以上と予想される場所が多い。目黒区はほぼ全域が武蔵野台地上に立地して、土砂災害や液状化の危険は低いが、目黒川沿いや呑川沿いの低地では、内水氾濫や河川氾濫による浸水リスクが高いと想定されている。その中に一番気になるのは、東が丘一丁目にある3mの浸水被害に想定されたところ(調査地写真)。東が丘一丁目は、目黒区南西部を流れる呑川の流域に位置している。この川は、区内では多くの部分が暗渠化されていますが、東急大井町線の緑ヶ丘駅南側では開渠となっている。
吞川流域では、過去の浸水履歴や地形的要因から、浸水のリスクが高いと考えている。東が丘一丁目は、目黒区内でも比較的低地であり、周辺の地形と相まって、降水に水が集まりやすい地形である。
このため、内水氾濫による影響を受けやすく、浸水リスクが高まる。現地で実際調べて、ハザードマップに記載されている地域は、確かに坂道が多く、古い河道の跡も見つけた(グリーンベルト)。 参考:地理院地図(地形分類) 呑川の上流は三つに分かれていて、桜新町から深沢の流れが本流、駒大周辺からオリンピック公園東縁の流れが駒沢支流、そして、東が丘から柿の木坂を流れるのが柿の木坂支流です。それらが合流するのが都立大学駅付近です。ほとんどが暗渠(緑道)となっていて、ただの遊歩道だと思っている人は多いのですが、谷地形なのでやはり内水氾濫の危険はあります。駒大北門?東門の道路もかつての川で、水田もあったようです(今昔マップ)。 |
シャチ(東京都世田谷区) kml![]() |
これは東京都世田谷区の洪水?内水氾濫ハザードマップである。世田谷区は台地と低地から成り立っていて、低地の部分で浸水が起こる可能性が高い。今回訪れたのは、宮坂1丁目と桜1丁目の間の土砂災害警戒区域となっている場所である。地理院地図の自分で作る色別標高図を用いてみると、宮坂1丁目と桜1丁目では約5mの標高差があると読み取れる。現地に行ったところ土砂災害警戒区域となっている場所は苔むしたコンクリートの崖になっていた(写真昼、写真夜)。土砂災害警戒区域となっていない隣の崖を見てみると比較的新しそうなコンクリートの崖であった。このことから、コンクリートで固めて土砂災害を防ごうとしても年月が過ぎるにつれて意味をなさなくなると感じた。このまま何もせず放置し続ければやがて起こるかもしれない大雨の際、土砂崩れが起きると考える。また、大雨により宮坂1丁目側では家が浸水してしまう可能性がある。 昼間の写真についても追加しました。水平取れてる?目黒川上流部の烏山川は、調査地点周辺では、その右岸で侵食がさかんで、急崖になったのでしょう。明治のはじめ頃は、烏山川低地は水田、目黒台(武蔵野面)は畑と明確に土地利用がわかれていたよう。 全国Q地図(関東地方迅速測図) |
ふう(東京都世田谷区) kml![]() |
世田谷区の土砂災害ハザードマップである。その中でも、土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域が特に多い成城に足を運んだ(写真)。成城の地盤は比較的安定している。しかし、東寄りに仙川、西側に野川が流れている。成城の地盤は「火山灰台地」と「谷底低地」の2種類からなっている。谷底低地は、川の流れによって運ばれた土砂で形成されている。つまり、柔らかい土と枯れた植物が堆積しているため軟弱な地盤である。この谷底低地の部分と土砂災害警戒区域の場所は大体一致している。また、成城は急傾斜地の崩壊による土砂災害の恐れがある。成城は水害時に特に警戒しなければならない土地である。成城周辺の避難所は、「砧総合支所」「成城さくら児童館」浸水被害がない時に予備として「喜多見地区会館」が指定されている。この3カ所は仙川と野川に比較的近い場所にある。そのため、そこも地盤が十分に強固だとは考えづらいので注意が必要だと思う。 写真の場所は警戒区域ではないですよね。イエローゾーン?レッドゾーンともに、成城みつ池緑地内のようで、大雨時に緑地内に立ち入らないようにすればよく、避難の必要はないのではないかな?地理院地図(地形分類)。 |
テラ(東京都足立区)
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足立区のハザードマップの中でも、綾瀬川の洪水ハザードマップを調査した。調査地点は綾瀬川にかかる綾瀬新橋である。画像①を見ると川の水面と地面の高さがほぼ同じか若干地面の方が低くなっている。地理院地図で橋の地点の川の右岸側から左岸側の断面図(画像②)を作成すると,右岸左岸共に海抜0m以下になっていることがわかる。海抜が0m以下のため,氾濫した場合の浸水が長期間継続すると予想されている。地形分類図(自然地形)を参照すると,氾濫平野であることがわかり,氾濫や液状化のリスクが高いことが分かる。国土交通省のページを見ると中川や綾瀬川の流域は江戸時代以前は利根川や荒川の本流が流れ,頻繫に洪水が起きており,その際に運ばれた土砂によって低く平坦な土地が形成されたことが分かる。堤防もコンクリートの板で,橋の部分は増水時に厚さ26cm程度の鉄板(画像③)が閉まる仕組みになっていて,隙間の部分や鉄板の強度には疑問が残る。大雨災害時には,ほかの河川の状況を確認しつつ,比較的海抜の高い場所や都内をあきらめて下総台地方面へ避難する必要があると思った。 参考 国土交通省(中川?綾瀬川の歴史) 全国Q地図(関東地方迅速測図) 現在の綾瀬川の直線的河道は江戸時代に作られたものですね。綾瀬駅付近で足立?葛飾区境が南北にうねっているのは、昔の隅田川の名残ですね。旧河道に注目すると色々なことがみえてきます。例えば、川越市指扇で荒川左岸が決壊した場合に濁流はどう流れるか?旧河道をたどってみると...。下総台地(松戸)まで距離がありますよ。避難するのにどのくらい時間がかかる? |
(発表なし)高田(東京都世田谷区) kml![]() |
世田谷区三軒茶屋付近のハザードマップを見た際に世田谷郵便局付近(写真)に大きな浸水が予想されているためその場所について考察する。まず最初に地理院地図で治水地域分類を見たが、とくに何の記載も無かった。その場所がなぜ浸水が予想されているか?それは周りの土地よりも低くなっているからである。すぐ北に三軒茶屋駅があるが、そこよりも2メートルほど低くなっているからだと予想される。世田谷郵便局の西の道路から三軒茶屋駅のある北を見ると視覚的にも標高が違うことがはっきり分かる。色別標高図を作ると低くなっているところが大体浸水域に指定されている。また陰影起伏図を利用すると、縦1キロ間隔で凸凹としている。そのため、三軒茶屋駅の北側にも浸水域が指定されている。三軒茶屋駅が凸の部分の頂点側にあるため、三軒茶屋駅付近は浸水被害を受ける可能性は低いと言える。しかしその北側と世田谷郵便局などがある南側はその分雨が溜まりやすい地形になっているため、水がその部分に溜まってしまった場合長期間浸水被害が残る可能性がある。 浸水想定区域が帯状になっているのはどうしてでしょうか?地理院地図(地形分類)や昔の地図(今昔マップ)も参考になります。地図情報をもっと活用しましょう。浸水想定区域に消防署、警察署、病院があるのが問題ですね。 |
カズ(茨城県日立市) kml![]() |
茨城県日立市は市内の大部分が海食崖上の標高20~40mの台地地形に位置し、洪水リスクは比較的高くはないが、南部を流れる久慈川河口周辺には標高約0m~3mの低地が広がっている。地理院地図によると、この一帯は氾濫平野に属し、大雨時には河川の氾濫のリスクが高まる地形であることが分かる。ハザードマップで久慈川と茂宮川に挟まれた地域の多くを占めるピンク色の凡例は、洪水時に想定される浸水の水深5.0m~10.0m未満の範囲を表し、斜線部は今回調査を行った茂宮川の溢水による範囲を示している。範囲内には住居や田畑の他に大きな病院や工業団地、物流倉庫などが立地しているため、洪水時の被害が拡大しやすい地域であるといえる。写真1は茂宮川にかかる橋から下流方向を撮影したもので、茂宮川と小規模な河川が合流する地点の付近である。ここでは堤防が造成されているが、高さは2m~3m程で浸水予想の値を大きく下回り、増水時にこの付近で氾濫のリスクが高まると考えられる。一方で橋から上流方向を写した写真2では既存の堤防に加えて新たな護岸の工事が進行中であった。橋を境に下流側では工事が進んでおらず、大雨時には下流側での氾濫の発生可能性が相対的に高まることが考えられる。過去にも久慈川、茂宮川共に数年に1度の頻度で溢水が発生しており、範囲内にすぐに避難ができる高台が少ないため工事の早期の完了が求められる。 地図がしっかり作図されていたので、こちらでの作業が楽でした。ありがとうございます。茂宮川?久慈川低地については、土を盛って自動車の退避場所を作っておいた方がよさそうですね。 |
ゆう(東京都江戸川区) kml![]() |
東京都江戸川区の洪水ハザードマップについて調査しました。江戸川区は、東京都の東部に位置している。写真は江戸川区篠崎地区の写真である。この場所を地理院地図の治水地形分類図で調べてみると、氾濫平野であり、標高は約1メートルであった。それにもかかわらず、川のそばにはたくさんの家が密集しているので、とても危険な地域になっているのが分かる。この場所に想定される災害は、浸水である。この地域は江戸川などの大規模河川の最下流に位置しているので、関東地方で降った雨がたくさん集まってきます。例えば、栃木県や群馬県で降った雨が利根川を経由して江戸川に流れ込んできます。この地域は海面とほぼ同じ高さ、つまり海抜0メートル地帯に位置しているので、堤防が決壊してしまうと、川から離れた地域でも浸水する可能性があり、水が引くまでにかなりの時間がかかると想定される。浸水してしまうと、避難が難しくなってしまうかもしれないので、被害が出る前に地域の人と協力して早期避難することが大事だと思う。 江戸川区のハザードマップは、その表紙に「江戸川区 ここにいてはダメです!」と悲劇的なことが書いてあったりします。写真の場所から下総台地(市川市中山)までは約4kmあります。江戸川水門を渡れない場合は、上流へ向かい市川橋から下総台地(市川市国府台)まで約6kmあります。江戸川区の人口は70万弱で高知県よりも多いです。図中の避難所はあらかじめ避難するところではなくて、逃げ遅れた場合に避難する施設です。 |
ささみ(東京都稲城市) kml![]() |
東京都稲城市押立付近のハザードマップを調査した。この地域は、北端に多摩川が位置し、堤防直後の後背湿地に住宅街が広がっている(写真1)。写真では、住宅が堤防や道路から低い位置にあることがわかる。この地域においては、多摩川およびその支流の三沢川の氾濫による洪水が想定されている。想定浸水高は多くの区域で0.5m~3mである。付近に設置された水被害の想定浸水高を示す看板には3.0mの表記がある(写真2)。また、浸水被害時の最寄り避難所は稲城第三中学校となっている(図中左下)。押立地区からは直線距離で1.5kmほどと、徒歩での避難にはやや遠距離である。また、避難経路に氾濫の危険がある三沢川がある上、そもそも避難所となる稲城第三中学校がその三沢川の至近であることは問題である。2019年の台風19号による豪雨災害の際に実際に避難した住民は、徒歩での避難を途中で断念し、やむを得ず自家用車での避難を強いられた。また、この地域は元来水田が多くあり、その名残から現在も用水路が多くある(写真3)。このような小規模の流路は、災害時に迅速な避難の妨げとなったり、内水氾濫などハザードマップでは想定されない被害を発生させたりさせる恐れがあるため、注意する必要がある。 いなぎハザードマップ(風水害?土砂災害)、地理院地図(治水地形分類図) 令和元年東日本台風(2019年19号)では、稲城では深刻な水害がなかったようで、住民の危機意識は低いかもしれませんね。明治10年代の地図(関東迅速測図)をみると、稲城第4中付近は三日月状の沼があり旧河道だったことがわかります。そして中学校西側の道路はかつては右岸堤防だったようです。 |
ながい(東京都世田谷区) kml![]() |
調査は世田谷の二子玉川駅付近で実施した(写真)。世田谷区の洪水?内水氾濫ハザードマップを見てみると、二子玉川駅から新多摩川大橋にかけての多摩川沿いのエリアはほとんどが3m~5mの浸水想定区域になっている。この辺りを治水地形分類図で見ると、氾濫平野に分類されているが、瀬田一丁目や上野毛三丁目の方には丸子川が流れていたり、野川の合流地点が二子橋上流にあるので多摩川の氾濫原になっていると想定される。実際に2019年の大型台風では二子橋上流側から氾濫が発生している。しかし、ここにはそこそこ大きな自然堤防があるのだがそれを乗り越えて氾濫したのだろうか。自然の力は改めて恐ろしいと感じた。この付近を実際に歩いてみると、氾濫発生箇所には最近できた立派な堤防が完成していて、玉川公園方面にも堤防の整備が進んでいて安心感は増している。だが、やっぱり二子玉川当たりの地形は瀬田や上野毛に比べて圧倒的に低い。これでは堤防を築いたとしてもハザードマップ通りしっかりと氾濫、浸水の可能性は依然高いままであると感じた。 2019年受講生「坂上田村麻呂さん」の撮影写真は(こちら)。令和元年東日本台風の翌日に撮影したもの。ながいさんの写真よりも上流(西側)から二子玉川駅方面を撮影しています。写真の右側が多摩川の方向。まだ泥水が残っていることがわかります。多摩川が溢れたのは、二子橋の下あたりとみられます。台風による浸水の後で、教習所から田園都市線の下あたりまで、緊急工事を行ったようです。なお、丸子川はかつての用水路であり、台地のへりを流れています。 |
デオキシリボ助(川崎市高津区) kml![]() |
こちらは川崎市高津区の洪水ハザードマップで、特に浸水深に着色をしたものである。高津区の多摩川沿いは一帯が氾濫時に浸水する危険がある地域となっており、今回取り上げる久地二丁目付近は多摩川とその支流の平瀬川の合流地点で(写真1)、多摩川が氾濫した場合に浸水と氾濫流による家屋の倒壊、河岸の浸食の恐れがある地点である。この場所は多摩川合流地点から平瀬川右岸側沿いの住宅地を覆うように多摩川の旧堤防(久地かすみ堤)が平瀬川の上流方面へ延びており(写真2?3)、現堤防と旧堤防に挟まれた宅地は治水地形図と現地調査によると多摩川の旧河道で少し低地となっていることが分かった。また、平瀬川の堤防はパラペットでかさ上げがなされてはいたものの、多摩川の堤防に比べかなり低いものになっている(写真4)。現に、現状の堤防は多摩川の計画高水位(AP+15.990)を70~90㎝下回っており、多摩川の堤防高からは2m近くも低いことが分かった(写真5?6、資料1)。そのため、多摩川で計画高水規模の洪水が起こるとバックウォーター現象で平瀬川の氾濫は免れず、さらに多摩川が氾濫する規模の超過洪水が起こった場合その被害はさらに大きくなることが想定される。その場合、平瀬川下流域、特に多摩川合流地点付近においては河川氾濫時に住宅がある低地に氾濫流が流れ込み、この旧堤防に沿って滞留することにより浸水深と浸水時間が増し家屋の倒壊の危険性が増えていると考える。実際に、多摩川で既往最大を更新した令和元年の東日本台風時には実際にこの久地2丁目付近で溢水し、アパート1階に住んでいた男性が水死する被害が出てしまっている。(資料2?3) なお、平瀬川の堤防については、令和元年東日本台風の被害を受け、多摩川の堤防と同じ高さのものに更新する計画があり、資料によると令和7年度以降に工事に着手し、10年程度で竣工予定で、水害が激甚化している今、対策の早期完了が望まれる。 令和元年東日本台風(2019年19号)の時に多摩川が増水し、この場所の水位は15.07m(12日22時10分)に達しました。多摩川右岸堤防より低かったものの、支流の平瀬川があふれました。もともと水害の被害を軽減する霞堤の開口部に、人工的に平瀬川を合流させてしまったのですね。浸水地域は堤外地とみることもできます。地域全体を盛土するのが理想なのですが、工事は容易ではありませんね。洪水防止用アクリル板の高さは標高値でどのくらいなのでしょうか? |
まむ(川崎市高津区) kml![]() |
このハザードマップは、川崎市高津区による、多摩川が氾濫した場合の浸水ハザードマップである。調査は二子玉川駅から二子新地駅の方角へ二子橋を渡った先で行った。東急田園都市線のガード下で撮影した(写真)。写真の左手に多摩川右岸と自然堤防、右手に住宅地が広がっている。この辺りの住宅地は家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)であり、且つ浸水深の目安が二階水没する5.0mの範囲の区域である。二子橋から下流の方に向かって下り坂になっている。堤防は幼稚園バスと同じくらい(写真2)の相当な高さがあり、もしも多摩川右岸の堤防が決壊して洪水が起きたときにはここに水が溢れることが予想される。それを見越してか、高床倉庫のように地面から少し離した場所に入り口を作り、入り口から階段が伸びている家を複数見かけ(写真3、写真4)、この付近の住居の作りが少し対策されているように感じた。実際に令和元年東日本台風でも記録的大雨により二子橋付近で越水が起こっていたのでこの対策は役立ったはずである。災害が起きたときに避難するのは小学校や中学校であるが、この付近の小中学校は全て3m浸水すると想定されているため、安易に避難しようとすると危険である。 参考:川崎市洪水ハザードマップ高津区版(洪水浸水想定区域?多摩川水系) 水害翌日の空中写真をみると、二子新地駅南側の一部の道路に茶色の泥水が確認できます。川崎市のハザードマップは、対岸の世田谷区側についても浸水エリアを表示していますね。一方で、世田谷区のハザードマップは川崎側の浸水エリアをほとんど表示していないようです。 |
azuki(川崎市高津区) kml![]() |
私が今回訪れたのは、神奈川県川崎市高津区諏訪2丁目である。ハザードマップを見るとわかるとおり、この地域一帯が3.0m(2階床下程度)の浸水が予想される地域であり、場所によっては5.0m以上の浸水も予想されている。現地へ行き地形の観察を行うと、多摩川から撮影地点(写真)に向かうように坂になっており、これは河川付近にみられる典型的な地形である。治水地形分類図によるとこの地域は旧河道であり、旧河道に沿って予想される浸水深が深くなっていることがわかる。また、自分で作る色別標高図を用いて8mから1mごとに段彩すると、これらの地域が周囲より1~2m程度低くなっていることが読み取れた。この場所は、大雨が降ったり多摩川が氾濫したりすると、低い場所に水がたまる低地浸水が発生することが考えられる。また、ハザードマップを見ると、この地域は家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)になっている。これは、堤防の決壊などによって流れ出した河川の水(氾濫流)の勢いにより家屋が倒壊?流失する可能性がある区域を示すもので、この区域に指定された場合は垂直避難だと安全が確保できないため、避難所への避難、いわゆる水平避難が必要になってくる。周りに水が迫っていなくても、危ないと思った段階では手遅れになっていることも考えられる。情報をしっかりと取り入れて避難準備をすることが重要である。 低地は旧河道ですね。諏訪集落は自然堤防上にあったようです。多摩川右岸について、明治の頃は桑畑だったよう(Q地図?今昔マップ)。川沿いの桑畑は水害の危険のあるところに立地することが多いので昔は良くあふれていたのでしょう。令和元年東日本台風の際も諏訪排水樋管(ひかん)周辺で浸水被害が出ていたと思います。 |
りゅうた(川崎市中原区)
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このハザードマップは、2日間で約600mlの降水があり、多摩川が洪水してしまった際に予測される浸水域とその水深が示された物である。このビックリマークがある場所は電車の下を行き来出来る様に作られた地下通路(写真)だ。この地下通路は約0.5mの浸水が予測されている。写真の通り、入口はかなり急であるため、周囲が浸水した場合は99%水が溜まっていくと思われる。(入口手前の傾斜はほぼ皆無であった)。この地が浸水する場合、外水氾濫よりも内水氾濫の方が影響が大きいと考える。多摩川からは約1.5km離れているため、直接ここまで水が押し寄せるとは考えにくい。(近くに二ヶ領用水はあるが)排水が追いつかず水が溜まっていくのでは無いかと考えた。この地下通路が浸水しないようにするには、まずは入口手前に傾斜をつけたり、排水溝を増設するべきだと感じた。(写真には写っていないが、排水溝は1つだけあった) 地理院地図(地形分類) 降水量の単位はミリリットルではなくミリメートルです。雨量といいますが、溜まった雨水の深さです。多摩川があふれる外水氾濫の可能性も排水不良で浸水する内水氾濫の可能性もありますが、二ヶ領用水の東側はより外水氾濫が起こりやすいと思われます。あと、令和元年東日本台風の浸水実績を調べましたか? |
沼津のコアサポ(静岡県沼津市) kml![]() |
沼津市「地震?津波ハザードマップ」(全市版)。被害が想定される場所(調査地)?沼津港及び周辺区域、「びゅうお」(写真2)(写真3)(写真4) 地理院地図の地形分類によると土地の成り立ちとしては、「氾濫平野?海岸平野」に分類され「土地の成り立ち 起伏が小さく、低くて平坦な土地。洪水で運ばれた砂や泥などが河川周辺に堆積したり、過去の海底が干上がったりしてできる。」「この地形の自然災害リスク 河川の氾濫に注意。地盤は海岸に近いほど軟弱で、地震の際にやや揺れやすい。強い地震による液状化発生傾向は海岸平野で強く、氾濫平野ではやや強い。沿岸部では高潮に注意」とある。また、沼津港の一部は、人工地形であり、「盛土地?埋立地」に分類される「土地の成り立ち 周囲の地表より高く盛土した土地や、海水面などの水部に土砂を投入して陸地にしたり、谷のような凹地を埋め立てて造成したりした土地。この地形の自然災害リスク 高さが十分でない場合には浸水のリスクがある。山地や台地では降雨?地震により地盤崩壊のリスクがある。低地では液状化の発生傾向が非常に強く、海や湖沼?河川を埋め立てた場所では特に注意。 南海トラフ巨大地震では震度6弱が予想され、津波の到達時間は約7分、津波高は6mと予測されているがそれ以上のものが来ると考えるべき。そこで今回調査した場所が沼津港航路水門「大型展望水門びゅうお」沼津港の内港と外港を結び、普段は、漁船の行き来などがあるためしまっているが、震度5強以上の地震が発生した場合、または津波警報、大津波警報が発生した場合、自動閉鎖の信号が感知すると、自重落下による閉鎖を始める。自重落下には2分間のサイレン?回転灯の周知から、3分で閉鎖、つまり計5分で完全閉鎖が完了する。想定では5.8mの津波を防ぐことができる。果たして、びゅうおは5.8mで津波から市民を守れるか? 東日本大震災の時、東京湾の一部水門では閉まらなかったところがありました。道路渋滞により職員がたどり着けなかったとか...びゅうおは自動で閉まるようですね。御用邸記念公園より南の海岸では、海岸堤防よりも想定津波高の方が高いわけですね。大津波警報が発表された状況で、市街地で火災が発生してしまった場合にどうするのか(輪島市の例があった)、考えなくてはならない問題もありそうですね。 |