高いモチベーションを維持し、大舞台で、自分の強い力を見せていく
アマチュアボクシング選手 中京学院大学附属中京高等学校教諭
田中 亮明 さん
- 東京2020オリンピック?パラリンピック競技大会 男子ボクシング日本代表内定 田中 亮明 さん
- 1993年岐阜県生まれ。2016年経済学部商学科卒業。中京学院大学附属中京高等学校教諭。4年次にボクシング部主将を務める。3年次まで国体4連覇。4年次プレオリンピック優勝。2015(4年次)、2016、2019年 全日本選手権優勝。ジャブやストレートなど手数の多さが持ち味、強みはサウスポースタイルから繰り出される左ストレート。
コロナ禍での自粛期間も新しい試みを取り入れ自分を進化させていた
昨年3月、東京2020大会の日本代表(ボクシング男子フライ級)に選出されました。虎扑nba,虎扑足球感染症の影響で大会が延期され、「気持ちに変化はありますか?」と質問されることもありますが、準備期間が長くなり「より強くなってメダルを取りたい」という思いが強くなっています。自粛期間中も、たくさんの方々のサポートのおかげで通常と変わらないトレーニングができましたし、新しくフィジカルトレーニングを取り入れたこともあって、高いモチベーションを維持できていると感じます。大一番に強いタイプなので、試合では「今までで一番強い自分を見せたい」と思っています。
良き指導者、強い先輩に憧れを抱いて駒大へ入学
中学1年生からボクシングをやっていて、駒澤大学に進学を決めたのはボクシング部の小山田裕二監督の指導を仰ぎたかったことと、自分と同じ階級で当時日本一だった林田太郎選手(現コーチ)や清水聡選手(現プロボクサー)に憧れていたからです。ボクシング部はみんな気さくな人ばかりで、リーグ戦での優勝を目指して練習は大変でしたが楽しい4年間でした。私はアマチュアボクシングが好きで、卒業後も続けたかったため教員を志望していました。教職の勉強と部活の両立は少し苦しいと感じたこともありましたが、その努力も今の糧となっています。
高校から大学時代は全日本ボクシング選手権大会でチャンピオンになることを目指していました。でも、プロボクシング世界3階級制覇王者の井上尚弥選手(※1)が同い年だったりとなかなか優勝に手が届きませんでした。そのような中で世界を意識することはほとんどなかったのですが、オリンピック出場を目標にしたのは弟?恒成(世界3階級制覇王者(※2))の影響かもしれません。弟は小さい頃から「世界チャンピオンになる」と言っていて、本当になってしまった。「弟が世界チャンプなんだから自分も世界へ、オリンピックに出るぞ!」と駒大時代に宣言し、有言実行を決意したのです。
※1 階級制覇?井上尚弥選手=第36代日本ライトフライ級王者。第33代OPBF東洋太平洋ライトフライ級王者。元WBC世界ライトフライ級王者。元WBO世界スーパーフライ級王者。現WBAスーパー?IBF世界バンタム級統一王者。
※2 階級制覇?田中恒成選手=第17代OPBF東洋太平洋ミニマム級王者。元WBO世界ミニマム級王者。元WBO世界ライトフライ級王者。元WBO世界フライ級スーパー王者。
後輩には、駒大で好きなことを見つけて将来につなげてほしい
リオ2016大会代表の最有力候補と言われながら逃してしまい、引退を考えたこともありました。でも「やっぱりオリンピックに出たい!」という本心に気づき、東京2020大会に向けて練習を重ねて代表の座を得ました。試合当日は多くの人に「ボクシングを知らなくてもいいから私の試合を見てください」と伝えたいです。見てくれる人が多いほど頑張れますし、皆さんが「ボクシングって面白い!」と思える試合をしようと考えていますから。
駒大で有意義な4年間を過ごし、良い人間関係を築けたことが、教員となり、アマチュアボクシングを続ける礎となっています。学生の皆さんも、まずはキャンパスライフを思い切り楽しんで有意義な時間にしてください。そして、私にとってのアマチュアボクシングのように、好きなことを見つけて、それを続けてほしいと思います。
※ 本インタビューは『学園通信345号』(2021年1月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。